技術カンファレンスの進行を助けるWikiを作成しよう 〜いつかの運営を救うための助け舟に〜

技術カンファレンスの進行を助けるWikiを作成しよう 〜いつかの運営を救うための助け舟に〜

この記事は「技術カンファレンス Advent Calendar 2023」シリーズ2 15日目の記事です。イベント運営に欠かせないであろう「Wiki」の作成の重要性について書かせていただきました。時間はかかるけど、文章化は大切ですよね。
Clock Icon2023.12.15

みなさんこんにちは、たいがーです。この記事は「技術カンファレンス Advent Calendar 2023」シリーズ2 15日目の記事です。

今年は自社イベントである「DevelopersIO 2023」、JAWS-UGのコミュニティイベント「JAWS FESTA in Kyushu」で運営をさせていただきました。その活動の中で改めて「Wikiの作成」の重要性を知ることとなったので、今回はイベント運営についての振り返りと合わせて書いていこうと思います。

※今回の記事はあくまで個人的な主観と経験に伴う話です。状況やメンバーによって変わる可能性もあるのでご了承ください。

イベント運営は「時間があったはずなのに気づけばもう当日」があるある

イベント準備期間はどれだけ前から始めていても、直前になって"あれも決めなきゃ!これも決めなきゃ!"と残ったタスクが出てくるもの。そのため早く決められることは決め、決められていないことを把握し、決定していく必要があります。また一つのタスクに付随して決定すべき事項や対応すべきタスクが出てくる場合も多くあります。それをさらに決定し、進めていくことの繰り返しです。イベント運営のタスクは複雑に絡み合っています。

それらを整理し、後から決定事項を確認しやすくするために必要なのが「Wiki」だと個人的に思っています。

議事録ではなく、あくまで「Wiki」

イベントの規模によっては、運営メンバーが増えるパターンも多いのではないでしょうか。

規模によってはタスクを大枠(コンテンツ企画、懇親会、広報など)で分け、それに伴う班分けを行い、それぞれがミーティングを設定。さらにそのリーダー間だけでミーティングをするということもあるでしょう。様々な人が参加するからこそ、アジェンダを作成することも重要だと思います。

ミーティング前に参加者全員でアジェンダを作成、各自で確認をする

ミーティング前にアジェンダを作成し、参加者が各自で共有事項や話し合うべきことを記載。ミーティングで認識を合わせ、ミーティング終了後には各自のタスクを進められるようにしていくことがベストだと思います。

参加者全員でアジェンダを作っていくことで、ミーティングの全体像(どのように進めるか、知っておくべき事実は何か)を見返すこともできます。

アジェンダを作る中で一つ、個人的にやらないでいただきたいことがあります。

アジェンダ作成時は前の議事録を複製してそのまま使わない

先ほども言った通り、ミーティング前に全てのメンバーがアジェンダに議題を書けていることは理想です。ただ、書く時間がなかったメンバーや参加できないメンバーももちろんいるでしょう。その時に前回の内容が残っていて「これ、先週の残りですよね?」となるパターンを私は何回も経験したことが多々あります。

それをなくすためにも前回のものは複製しない方が良いのではないかと思っています。

アジェンダ作成の際にミーティングに参加するメンバーが関連するタスクの見直しも同時並行してみても良いのではないでしょうか。進んでいないタスクがあるのであれば、ミーティングに理由も添えて共有しておけば何か進展がある可能性もあります。

もし議論の項目が抜けそうなのであれば、前回の議事録の複製ではなく、議事録のテンプレートを作成することを個人的にはおすすめします。

特にコミュニティイベントの場合は業務都合等で時間が合わず、ミーティングに参加できないメンバーがいる場合も多々あります。そのような時にチームメンバーを助けてくれるのは議事録です。

ミーティング後に経緯や決定事項を確認するための議事録

アジェンダにその日の議題が書いてあれば、そのまま下に決まった内容を追記していき、会議の議事録(議事メモ)を作成していきます。ミーティングが終わった後に整形するのも良いのではないでしょうか。参加できなかった、振り返りたい時に議事録を見返してその日のミーティングの内容を把握できるようにしていることが重要だと思います。

議事録を見た上での相談や確認はテキストメッセージなどでやり取りすることもできるでしょう。会議で議論され、他の検討事項や決定した経緯、決定事項など会議の内容が(できるだけ細かく)テキストに残っていることが重要です。

さて今回は「Wiki」の話をしようとしているのに、現状「議事録」のことしか出てきていませんよね。実際、そもそも情報が「テキストで残っている」ということも重要ではあります。直近のミーティングの内容や実施すべきタスクを確認するだけであれば、議事録だけ見れば問題ないことも多いでしょう。

ただ、決めるべきことが多いイベント運営。よくあるのがこのようなパターンではないでしょうか。

「あれ、この話って結局どうなったっけ?」

その場合、重要になってくるのは「何が」「どこまで」決まっているのかを把握することです。

一から議事録を見返しても決定事項がすぐに見つからない可能性がある

前述の通り、イベント運営におけるタスクは複雑に絡み合っています。

"とりあえずタスクだけ洗い出していて、結局は決まっていない。"というパターンも度々発生します。今までの経験上、議事録で検索をかけてみても"検討すべきだという事実は分かるが決定事項は分からない"ということもよくありました。

見つからなければ探すしかありません。その場合、見返していた回の次の回の議事録を確認し、見つからなければ他の回を確認するという繰り返しです。もし議論がされていなかった場合は、探し損にすらなり得ます。私自身もキックオフ後に運営へ参加した際、何がどこまで決まっているのか状況が把握できなかったため、10ページ以上の議事録を全て見返したこともありました。

ミーティングで出たタスクはその場で課題化する

そもそも前提として、イベント運営において「Wiki」ツールと「タスク管理」ツールを運営全員で有効活用するべきだと考えています。

イベント運営でタスク管理ツールを使っている場合は、ミーティングで検討事項が出てきた時点で全員の前で課題を作成することをお勧めします。そして、タスクの作成時にその場で期限と担当者を決定しましょう。そして、そのタスクを議事録にも記載しておきます。

そうすることで、検討漏れ等もなくし、誰が決めるべきタスクなのかが浮いてしまう心配もなくなります。また、あとから調べる場合にも課題に直接繋がり、タスクの現状が把握しやすくなります。

決定事項を並べてWikiに記載されているだけで、仮に途中から参加したメンバーがいたとしても現状を把握しやすくなります。

ちなみに課題の作成はファシリテーターがする必要はないと思っています。ミーティングに参加しているメンバーの中で「作りますね!」と一言声に出して、課題を作成し、共有するだけでもファシリテーターのメンバーにとっては本当に助かります。

参加しているメンバー全員でミーティングを作り上げていけば良いと思っています。それぞれができることをやっていけばより良い時間となるのではないでしょうか。

議事録からWikiに記載する作業は時間がかかるが、やる価値がある

ミーティングが終わったら、確定になった情報だけを抜き出してWikiに記載しましょう。

そうすることで、あとから何が決まって何が決まっていないのかを把握しやすくなります。

ただ、このWikiに記載されている情報が信用できる情報であるため、定期的に更新する必要があります。参加メンバーがお互い気をつける必要があります。

Wikiの整理をすることで、何まで決まっているかの確認作業をすることができるので現状を把握したい方にはおすすめです。

Wikiに確定した情報をまとめることでみんながハッピーに

改めてWikiにまとめることで、イベント運営の現在地を把握しやすくなります。

イベントはみんなで作っていくものなので、ぜひ率先してWikiに決定事項を記載してみてはいかがでしょうか?

以上、たいがーでした!

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.